クラムボン

アジアンタムというシダの茎を1本、青い瓶に挿しています。

その茎に、小さな泡がたくさんついていました。

その泡を見ていたら、、何となく小学生の頃に読んだ宮沢賢治の「やまなし」の一節を思い出しました。。

 

小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈げんとうです。

一、五月
ひきかにの子供らが青じろい水の底で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンはねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
上の方や横の方は、青くくらくはがねのように見えます。そのなめらかな天井てんじょうを、つぶつぶ暗いあわが流れて行きます。
『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』
つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六つぶ泡をきました。それはゆれながら水銀のように光ってななめに上の方へのぼって行きました。
・・・・

 

いま読み返してみても、クラムボンっていったい何なのだろう、とか賢治は何を言いたかったのだろう、とか解らないことばかりです。。

小学生のころはどう感じたのだっけ??

ゆらゆらと揺らめく水底でのやり取りを想像しながら、不思議な感じを持ったことは覚えているのですが、、

 

 

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