一昨日、昨日と、鬼無里を会場に、「百業づくり全国ネットワーク」の総会、そしてフォーラムが開催されました。

「百業」とは、これからの農山村での生き方、暮らし方として専業型の仕事を追い求めるのではなく、生活に密着した小さな仕事を発掘し、かたちにして行こうという新しい考え方と取り組みです。

昨年2011.2月19日、20日には高知県仁淀川町で、「百業づくり全国ネットワーク設立フォーラム」が開催され、全国30地域から130人以上が集まったそうです。

第2回目となる今年の開催地が、鬼無里でした。

受け入れ窓口は、NPO法人「まめってい鬼無里」です。

一日目の一昨日は、基調講演を長野大学の大野晃先生、各地の実践として、高知県仁淀川町、鳥取県智頭町、そして鬼無里の事例が報告されました。

2日目の昨日は、分科会後に、高知県からお越しになりました「NPO法人土佐の森救援隊」中嶋健造さんによる講演会がありました。

「土佐の森救援隊」の実践活動は、今、全国の山林関係者の間でとても話題となっています。

「土佐の森方式」と呼ばれる自伐林業を復活させて、森も生かし、収入としても副業としてきちんと成り立たせて行く(専業としても)活動です。

中嶋健造さんです。

現在の林業の構造は、下の図のようなとてもいびつな構造となっているそうです。

これは、非生産的なことを徹底的にカットするという生産性、効率性、経済性重視の企業型の林業が主になってしまったがために出来上がってしまった構造なそうです。

林業における非生産的なこととは、苗木を植える、下草刈り、間伐、枝打ち、等のことです。

これらがカットされるということは、「森づくり」をなくしてしなうことにつながります。言い換えれば、環境破壊型林業です。

中嶋さんは、この形態を「一瞬だけ儲かればよいという、セツナ林業だ」と語ります。

これに対し、「土佐の森方式」による自伐林業は、小規模であっても山主が自分の山であるからこそかけられる細やかな愛情を持って山の仕事をするために、森は再生し、しかも収入にもつながる方式のため、高知県仁淀川町では下の図のような、本来あるべき林業構造が生まれたのだそうです。

今、全国各地でこの「土佐の森方式」が検討されています。

この方式は、国策として強硬に進められている「森林・林業再生プラン」の大規模集約型の林業に対する疑問、不安の多さの中で改めて見直されているそうです。

「土佐の森方式」は、大規模集約型林業とは間逆の取り組みです。

農業もまたしかり、国は、大規模集約化の農業形態を推し進めようとしていますが、それは本当に本来の日本の自然や暮らし方にあったあり方なのでしょうか?

夜の懇親会は、まめってい鬼無里理事長の大日方先生宅にて開催されました。

大日方先生のおうちは、築160年の古民家で囲炉裏があります。

御挨拶をする大日方先生です。

林業女子会?の、原薫さんとお話しをしているのは、仁淀川町で八面六臂の活躍をされていらっしゃる「によど自然素材等活用研究会」代表の井上光夫さんです。 http://www.2410riv.jp/

アイデアあふれる、元気あふれる、何よりも故郷の仁淀川町をこよなく愛している、とてもおおらかな方でした!

仁淀川町には、日本の清流のトップに入るという美しい仁淀川が流れています。

この川は、何と最後に「ニホンカワウソ」の目撃情報があったという川だったそうで、今でも、若干の目撃情報が入っているのだそうです。

絶滅が危惧されている「ニホンカワウソ」に、何とか生きていてほしいと願っていた農楽母さんにとってはとても嬉しいお話しでした!!

「カワウソ」さん、何とか生息していてください!!!

そして、いつかお会いしたいです!!

仁淀川の美しさについては、http://www.nhk.or.jp/kochi/niyodo/ を、ぜひご覧ください。

NHKでも3月に放映されたのだそうです。

農楽母さんもいつかぜひ行ってみたい川ですね!

「百業づくりネットワーク」の皆さん、「土佐の森救援隊」の皆さん、「まめってい鬼無里」の皆さん、どうもお疲れ様でした。

素晴らしい会を、どうもありがとうございました!



Comments:
kojima on 4月 7th, 2012 at 11:09 PM #

興味深いです。


norari on 4月 10th, 2012 at 8:36 PM #

はい、とても興味深かったです!!


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