今日は鬼無里で、グリンツーリズムのシンポジウムが開かれました。
主催は、「NPO法人まめってぇ鬼無里」です。
まずは、奥裾花自然園のブナ林で自然観察会です。
6月、ブナの木が一番水を吸い上げる季節には、幹に聴診器をあててみるとその水の音が聞こえるのだそうです。
ブナの葉です。
葉脈は、水が幹を伝って木の根もとに集まりやすいような形状をしています。
ブナの樹形も、水が集まりやすいように枝を横に張り出さずに、枝が縦に伸びる形をしています。
そうしてブナ林は、山に豊かな水を蓄えるのだそうです。
雨の中のブナ林散歩、短時間でしたがとても気持ちが良かったです。
午後は鬼無里活性化センターに場所を移しまして、人とホスピタリティー研究所・高野登さんの講演会と、パネルディスカッションです。
鬼無里の(中山間地の)活性化のためには、「誰もがやっていることをだれもがやっていないレベルでやる」必要がある。
具体的には、「ふるまい、よそおい、しつらい」
この3つのポイントを、体験のお客様がいらっしゃる限られた時間の中、鬼無里らしさとしてどう表に出すのか。
これを誰もがやっていないレベルでやりましょう、というお話でした。
また、受け入れる鬼無里とお客様と、双方が一緒になって新しい価値を作って行くようなそういう協力し合う形を作ることが大切だということでした。
後半のパネルディスカッションは、
鬼無里観光振興会会長の伊藤さん、鬼無里修学旅行受け入れ実行委員会副会長の寺島さん、信大地域フォーラム研究員の尾澤さん、そして農楽母さんの4人のパネラーと、
コーディネーターの高野登さんで行われました。
鬼無里の伊藤さんのきっぱりとしたお言葉です。受け入れる側の理念を明確にすることが大切ですね。
「グリンツーリズム、特に、修学旅行などの子供たちの受け入れは、ビジネスとしては考えたくない。喜んで帰ってくれる。出会いが観光の原点。関係が長く続いたらそれで素敵ではないか?」
まめってい鬼無里の大日方理事長のお言葉は、
「お金ではなく、人間と人間のつながりをもっと強めよう!」
高野さんのお言葉です。
「自然の中に溶け込んで、自然と共存できる中山間地での体験は、子どもたちの心に成長のタネを残せる」
会場からの意見にもありましたが、確かに現実に急激に進行している中山間地の内部崩壊を食い止めることはとても難しいことだと思います。
グリンツーリズムは、食い止めのための一つのきっかけにはなるかもしれませんが、根本的な解決にはつながらないかもしれません。。
でも、たった一泊でも子供たちに大きな変化をもたらす「農泊」の持つ力、社会的な影響力と効果が確かにあるのです。
それがもっと認識され、評価される必要があるのではないかと思います。
まめってぇ鬼無里の皆さん、どうもお疲れ様でした!
そして、高野さん、伊藤さん、寺島さん、尾澤さん、どうもありがとうございました。