数週間前から、チャイの体調の様子はおかしかったのです。

目ヤニが多くなり、右目からはずっと涙を流し続けていました。

食欲も落ちているようすで痩せて行き、時々、クシュンクシュンと小さなくしゃみもしていました。

でも農楽母さんは、修学旅行生の受け入れが続いていたこともあり、忙しさにかまけ、「そのうち治るだろう」と病院へ連れて行くことをしなかったのです。。

最後にチャイの姿を見たのは4日前のこと。

修学旅行で来た子どもたちの部屋の布団の上で小さく丸くなって休んでいたのですが、シーツの洗濯や掃除をしなければならないから、、と、無理に起こしてしまったのでした。

チャイは相当しんどそうだったというのに、、、です。。

よろよろとしたチャイは、少し水を飲み、外へ出て薪置場の前でおしっこをし、爪とぎをした後で集落の下の方へ歩いて行きました。。

そこまでは見送り、「爪とぎをする元気があるのだから大丈夫だろう」と、後を付けて行くことを怠ったのでした。。

それから今朝で丸3日、、チャイは家に戻りませんでした。

元気な時ならいざ知らず、、体力が弱っているときです。。

日中の陽射しの強さも半端無く、どこかでじっとしたまま動けなくなっているのではないか、、と何回も集落内を探し回りました。。

昨晩は、夜に懐中電灯を持って探し歩きました。

ミコ太が夜の散歩に同伴してくれて、私が「チャイー」と呼ぶとミコ太も同じ声のトーンで「ニャアー」と、呼んでくれました。

でも、見つからず。。。

今朝は隣の集落まで行き、何の手がかりもつかめないことに、引き返して来ては悲嘆にくれてしまいました。。チャイとの楽しかった思い出が走馬灯のように蘇り、そしてヒトの心を見透かすかのようにじーっと見つめる眼差しを思い出し、涙が止まらなくなってしまったのです。

こうしてあげれば良かった、ああして欲しかったのだな、、と後悔ばかりが先に立ち自分を責めてもしまいました。。遠隔でエネルギーを送ることのできる友人たちにもチャイのサポートをお願いしました。

その時、ふと農樂息子が獣医学部へ通っていることを思い出し、メールを送ってみました。

普段はろくに返事もよこさないのですが、さすがに放っておけないと思ったのか、すぐに返事をくれました。

 

「 おそらくチャイも、本能的に飼い主を含めて他の動物に見つからないような狭く静かなところで回復しようと休んでいるのだと思います。

戻ってくる可能性は五分五分かと思いますが、これはもうチャイの自然治癒力に任せるほかはありません。

自然の中で放し飼いにしている以上、猫が最後にこうなるのは当たり前のことかもしれません。

老衰か病気か、、わかりませんが、姿を消して帰ってこないのであれば、それは天寿を全うしたということなのでしょう。

交通事故で命を落とすなんてことよりずっと良いです。

チャイが居た日々を思い返せば辛いですが、動物を飼う以上別れは必ず訪れます。そして姿を消してしまうのも、猫なら不自然なことではないです。

なので、今は探すことより、静かに待つことです。

一週間ほど待って、その間にこちらも気持ちの整理をしましょう。」

 

「それだけ衰弱した状態なら、そう遠くへは行っていないのではないかと思います。

いるとしたら、低温で、静かで、狭い場所だと思うので、空家の床下や、物置の奥など、、チャイの知っている安全な場所でしょう。

見つけ出すのは相当難しいと思います」

というメールでした。。

これを読んだときには、もう、「わーー」っと大声を上げて泣いてしまいました。。

そして、もう一度だけ探しに行ってみよう、、と思い立ち各家を一軒一軒聞き取りに回ったのでした。。

 

そうしたところ、集落の一番外れの大きな家のおばあちゃんが、「茶白のしっぽの細いのなら昨日裏を歩いていた」!と教えてくれたのです。

「ェ、本当???、、チャイは生きている!!」

そして、その家の裏にある小さな納屋の藁の上で、チャイを発見したのでした!

さらに痩せこけ、両目はただれ、、毛もぼさぼさで衰弱しきっていまいたが、、、 すぐに千曲市の猫の病院へ連れて行きました。

診断は、熱が40度あり(人間でいえば38度くらいなそうです)、咽頭炎と風邪、眼の涙とめやには、鼻づまりによって出る症状、、とのこと。。

点滴を打ってもらい、家に連れ帰り、今は農楽母さんの部屋の布団の上で休んでいます。。

 

右の首のリンパ節も大きく腫れていて、声も小さくしか鳴けない状態ですが、まずは一安心しました。。。

後は、静かにして早く回復してくれると良いのですが、、、

 どんなに衰弱していてぼろぼろでも、やっぱりかけがえのない大切なパートナー。。
弱っているときにはそばにいてあげたいし、もしお別れの時が来るのなら、やはり目の前で最後まで看取ってあげたい。。
猫という動物の性質上、それはとても難しいことなのかもしれませんが、いきなり目の前から消えるのは納得がいかないものなのだ、、お別れは出来るだけちゃんと向き合って終わらせたい。。。
喪失や別離を受容し、悲しみから一歩を踏み出すためには、「納得」できることって、、とても大事なことなのだな、、、と改めて感じることが出来ました。。

 

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