4月22日(日)、東京の青山学院大学講堂にて、クレヨンハウスの落合恵子さんと京大原子炉実験所の小出裕章さんの講演会が開催されました。
農楽母さんと東京在住となった農楽娘、農事通信員の笠井さん、永田町黒澤の佐藤さんの4人で待ち合わせ、この講演会に参加をしてきました。
会場となった講堂は、開演1時間前にはすでにすごい人混みでした。
会場は、1500~1600人ほどでしょうか、、大勢の人の熱気でで埋尽くされました。
開演までの時間、スクリーンには何人かの識者の言葉が映し出されていました。
これは、写真家であり映画監督でもある本橋成一さんの言葉です。
本橋成一さんもチェルノブイリ以降、何度も現地へ足を運び写真や映画を撮り続けています。
この日のテーマは、「優しく生きることと原子力」。
小出さんは、レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」という小説から次の言葉を引用します。
「強くなければ生きられない。優しくなれないなら、生きる価値がない」
では、優しさとは何か?
小出さんは若いころからずっと考え続けたそうです。そして出された結論が、、
「優しいということは、自分以上に生きることに困難を抱えている生き物に対してどんな眼差しを向けることができるのか?」
家畜でも、子どもでも、社会的に困難を抱えている人たちに対してでもどういう目を向けることができるのか、で優しさというものが決まるのではないか、と考えました。
そして、優しさをテーマとした一冊の絵本「花さき山」もご紹介して下さいました。
質疑応答の時間。
小学生の子どもからメールで来た、とてもシンプルで、でもとても辛い答えることが重い問いです。
「小出さんは原発が本当に無くなると思いますか?」
小出さんのお答です。
「難しい問いですね。私は、かれこれ42年間原子力発電を何とか止めたいと思いながら生きて来ました。いつか事故が起きるだろうと警告もしてきましたし、事故が起きる前に何とか止めたいと願い続けて私の人生を生きてきたつもりですけど、とうとう私の力は何の役にも立たないまま事故になってしまいました。
私の人生って一体なんだったのかな、と、思わないでもありません。だから本当に止められるかと聞かれると、良くわからないと答えるしかありません。
ただし、今日私は原子力というものと優しく生きるということの話を皆さんに聞いて頂いたわけで、もし、多くの人が優しく生きようということを大切に思ってくれるようになるのなら、原子力なんて簡単に無くなるはずだと、私は思います。
これまで何度も私は絶望しかけました。ずっと負け続けてきたわけで、絶望も何度もしかけたのですが、でも、もし絶望したら最後の負けになる。何とか希望を失わずにいきたいと思います。
質問をして下さった小学生の子も、これから自分がどうやって生きるか、ということで原子力を止めさせることが出来るという希望を失わないで生きていってほしいと願います。」
このお答の後で、小出さんを励まし続けた想い出の曲、沢田研二の「朝焼けへの道」が会場に流されました。。
http://www.youtube.com/watch?v=bQYIhxAI4CY
曲の間、小出さんは上を向き、少し涙をこらえているように見えました・・。
その表情に、小出さんのこの42年間を思い、また、何もしてこなかった自分自身を振り返り、農楽母さんも涙がこみ上げて来たのでした。。
最後に、落合恵子さんの言葉です。
「私は同じことを何度も繰り返します。小出裕章さんに頑張ってください、なんて言いません。今度は私たち一人一人みんながそれぞれに頑張る番です。これからも、私たちと一緒になって、でも、専門家として歩いて下さい。」
小出裕章さん、落合恵子さん、クレヨンハウススタッフの皆さん、素晴らしい講演会を、どうもありがとうございました!!
最後に控室にお邪魔させて頂き、「たぁくらたあ」最新号をお渡しし、10月7日の長野市での講演会についてのご挨拶をして、会場を後にしました。。
10月7日の長野市の講演会では、小出さん何の生の言葉を、将来世代を作る子どもたちや若い人たち中心にお届けしたいと考えています!!