10日ほど、遡ります。

フランスのブルゴーニュ地方で20年以上を暮らし、「グリーンツーリズム」(家の光協会)、「いのち、ひとみ、かがやく フランスの教育ファーム」(日本教育出版社)、「フランス田舎めぐり―田舎で過ごす癒し旅のすすめ」(JTBパブリッシング)等のご著書のあります(有)アールシーエス研究所取締役の大島順子さんが、農楽里ファームにお越しになって下さいました!

大島さんとは、8月29日に東京でのグリーンツーリズムのセミナーでお会いして以来、メールのやり取りをさせて頂いていたのですが、こんなに早く再会でき、しかも農楽里ファームにもお越し頂けるなんて夢にも思っていませんでした!

 

大島さんは、長野県主催の農村ツーリズムシンポジウムのご講演で来日されたのですが、シンポジウムの中でお聞きしたお話しの抜粋を少しご紹介したいと思います。

大島さんは、学生時代にフランス語を学ぶために留学中、ブルゴーニュ地方でカルチャーショックを受けたそうです。

それは、、

1.ステイしたおうちでは、「日曜日は田舎で」という田舎で息抜きをするという習慣があり、観光といっても町の中には連れて行ってくれなかったこと。パリ市内は、金曜の夜から田舎へ向かう交通渋滞が大変なこと。

2.食べ物に対するこだわりが強く、農業を守ろうという意識が日本では想像がつかないくらい高いこと。

3.田舎の暮らしにこそ豊かさがあり、お金がなくても心豊かに暮らせる、ということ。

4.田舎に住んでいる人は誇りが高く、「町の真似はしない!」という気概があること。

これらのお話しを伺っただけで、日本はどうも真逆のような・・・。。

以下は、レジュメからの引用です。。

「・・・フランスは、ファッションの国でも、気取った文化が支配する国でもない、国土の半分が農地という農業大国で、農村の暮らしを最大限に享受する文化がある国だったのです。

本当の豊かさとは何か?東京育ちで田舎もなかった私には、それを始めて考える機会になりました。

オイルショックの後、日本は産業重視の経済大国であり続けることを推し進めてきたのに対して、フランスは農村への回帰の方向に進みました。それが近年はエスカレートしてきたために、大都市では少しでも農村の良さを取り込んで、都市住民も人間らしい生活が出来るようにと知恵を絞って政策を推し進めています。

フランスでは、人口2,000人未満を農村と呼びます。その定義でも市町村の9割は農村となり、不便極まりない過疎地が無数にあります。それでも小さな村が存続できる体制があり、人々は農村に住みたがる。もしも今、農村に移り住もうとしているフランス人たちが計画を実行できたら、フランスの農村人口は都市人口を上回ってしまう、という結果が出たアンケート調査さえありました。(現在の都市人口は75%)・・・」

フランスの農村ツーリズム振興は、終戦直後に始まり、発展してきたのですが、「その60年あまりの歴史の中で、初めて農村民宿を誕生させ、さらに新しいコンセプトを産み出すことによって発展の原動力を与えてきたのは、アルプス山脈のある山間地の地域だった」そうです。

そこで、日本アルプスを抱える長野県での農村体験に期待すること、、です!

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何と言っても、大切なことは、グリーンツーリズムは「都市住民のためのものではなく、農村に暮らす人たちのため」のものであり、「農村生活のおすそ分け」である、ということ。都市の人に合わせて無理をしていたら、長続きはしない、ということ。

そして、「農村」という言葉そのものに「農」という言葉が入っているために、どうしても「農業」に視点が行きがちになるのですが、田舎暮らしには、「農」だけではない楽しさがありますね。そういう、「農」以外の、もっと軽く入っていけるような入口を作ってくれたら、、都会の人が少しずつ馴染みながら深く入っていけるようなあり方もあっては良いのではないか?とのご指摘もありました。

最後に、「地域の人、地元の人から少しずつでも広がっていくやり方が、フランスでも成功しているので、長野でもそうあってほしい」、という励ましのメッセージも頂きました。。

その2に、続く・・・

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