6月22日は、まず、マコネ地域の観光とエトルニー村の農家レストランへと足をのばしました。
シャンプレシー村からマコンまでのエリアは、シャロレー牛が放牧される緩やかな丘陵地帯が広がっています。所々に小さな村が点在し、マコンに近くなってきますとぶどう畑も広がり始めます。
まずは、走行距離約100キロをかけまして、マコン郊外のヴィンゼル村で月1回開催されている小さなビオマルシェへ。
農家5,6軒だけの小さなマルシェですが、「わかっている」人が目指してやってくるのだといいます。
到着した時間がお終い近くだったので、お客さんの数はまばらで品物も少なくなっていたのですが、、
美味しそうなお野菜やパンが並んでいました。
今フランスではビオ(オーガニック)人気がものすごいそうです。小規模農家も生き残りをかけてビオを頑張っており需要に対して供給が間に合わないほどなそうです。
こちらは、ビオのワイン農家さん。
手にしているワインは、55年くらいの樹のブドウから造られたもので、栽培はビオ、ワイン醸造の際にも無添加で造っているワインなそうです。てまひまかけて作られた貴重なワイン!!お話をお聞きしながら、わが子のように大切に思う気持ちが伝わってきました。
お客さんは、ゆっくりと試飲や試食をしながら農家さんとの会話を楽しみます。
おチビちゃんは、美味しいキャラメルバターをもらってご満悦!
こちらの写真は、乳製品を造っている農家さんとご一緒に、、
小規模ながらゆったりとした良い雰囲気のマルシェで、どの農家さんも笑顔がとても素敵でした!
農楽母さんは、大好物のアンズと貴重な白ワインを購入しましたです。
さて、、ヴィンゼル村を後にしまして、エトルニー村へと向かいます。
道の途中には、美しいお城が点在しており、「ああ、フランスにいるのだな、、」と実感。。
目指す農家レストランが見えてきました。
レストランは、昔馬小屋だったスペースを改築しています。
お庭には、放し飼いの鶏もいまして、、
可愛い猫(フランス語では、シャ!)もいました。
フランスで農家レストランが人気があるのは、大人が食事をしている間、子供たちをその辺で遊ばせることが出来るから、、ということもあるのだそうです。
それにしても、フランスのネコは、、、気のせいか足が長いと思いませんか???(笑)お腹が垂れていないからそう見えるだけかしら、、??
さて、、ランチのお料理です。
ワインは、地元でとれたブドウの白ワイン。フランスに着いて3日目。お食事の時もそれ以外でも、お水のようにワインを頂く、ということにだんだん慣れてきた農楽母さんです。
左側が、「サラッド・ペイザンヌ(お百姓さんサラダ)」。自家製野菜に、ニワトリを飼っている農家なので鶏のレバーがたっぷりと入っています。 何といってもこのボリューム!!!
フランスでは、「お百姓さん(ペイザン)」という言葉が魅力的に(美味しそうに)響くので、街中のカフェ・レストランでもこの名前を付けたサラダをメニューに入れていることが多いのそうです。
右の写真は、4人がとった前菜を1皿にして、農家で飼育している豚から作った自家製の生ハム、ソーセージ、テリーヌを盛り合わせたも のです。
メインのお料理。
ホロホロ鶏の煮込み、「ウッフ・アン・ムーレット」(半熟玉子の赤ワイン煮)、そしてオムレツです。
大島さんはお料理にもとても詳しくて、いろいろなブルゴーニュ料理の作り方を教えて下さいます!
「ウッフ・アン・ムーレット」は、ブルゴーニュの郷土料理でベーコン、小さな白い玉ねぎ、などを入れて煮た赤ワインに、卵を割っ て入 れて、それで半熟卵にするというお料理です。ワインの中で卵を固まらせるのは難しいので、たいていは、お酢を少し入れた熱湯でポーチドエッグを 作って、赤ワインソースに入れるのだそうです。
この「ウッフ・アン・ムーレット」、しゃれたレストランでは1人1個なそうですが、、ここでは3、4個も!!
そして、フロマージュ(チーズ)。
フランスでは、デザートの前にフロマージュが来るのですが、大きな器に入っているのは牛のフレッシュチーズで、他は山羊のチーズのオンパレード!
最後のデザートです。
畑で採れたてのイチゴ、洋ナシとアーモンドのタルト、リンゴとシナモンのタルト、ルバーブのタルト。
フランスでは、タルトはごく普通の家庭のデザートで、アメリカのパイに比べて薄いのが特徴なそうです。
デザートのあとにエスプレッソを頂いて、ランチ終了。
1人15€のコースでこの内容とボリュームです。。。
農家の豊かさのおすそわけ、、という感じのお料理の数々に、心も体も大満足でした!
こちらは、レストラン裏の畑です。
水はけがよいからでしょうか、、トマトも高畝にすることなく平らなままで植えているのが印象に残りました。
農家レストランを後にしまして、シャペーズ村へと向かう途中に見えてきました古いお城です。
何と、ここも農家民宿(シャトー民宿?)なのですって!
もう驚きです。。
この写真は、シャペーズ村に行く前に通りかかったビシー・スウ・ユクセル村です。
村には電線が無いので(地中化されているので)景観がとてもすっきりとしています。
こちらは、昔の共同洗濯場です。
そして、こちらのおうちも農家民宿!
もう、ため息ばかりです。。
そして、シャペーズ村のサン・マルタン教会。
11世紀に建てられたロマネスク様式の教会です。
15世紀に大きな火事があって柱が曲がっているそうですが、それでも昔の姿のまま現在まで残されています。壁の厚さが1mもあるので頑丈なのでしょうね、、
シャペーズ村のお次には、ブランシオン村のお城へ。
個人が所有するお城なのですが、この城があることを誇りに思う地元の有志たちがNPOを作って保存活動をしているそうです。
残されているフレスコ画も12世紀のものなそうです。
教会から見渡す景色は、ブルゴーニュの緩やかな丘陵地帯がどこまでも続き、夢の様な美しさでした。
教会の横には、園芸療法のお庭がありました。
城内の建物の石積みの壁の外に、小さなでっぱりをいくつも見かけます。
これは、大変な仕事をしてくれた職人さんたちに、大家さんが励ましのためにワインのボトルを置いた場所なそうで、沢山壁から出ているほど、職人さんたちが頑張って頑丈な作りの家を作ったという証でもあるとか、、
こちらは、城門に張り付けられていた記録用紙なのですが、、
石が動いていないか調査しているのだそうです。
確かに、、少しでも動いたら危ないですよね!
それからまた少し車で走り、オズネー村へ。
ここにも、12世紀のロマネスク様式の小さな教会がありました。
その教会と道を挟んでお向かいには、古いお城がありまして、ここもまたB&B民宿にも使っているとか。。
裏庭には、番犬代わりのガチョウ!もおりました。
オズネー村の次はトゥルニュ町へ。
12世紀のサン・フィリベール教会です。
11世紀末から12世紀初頭の初期ロマネスク様式の作りなそうです。
モザイクの床。
この日は、町の芸術祭の日だったのか、教会の内外でアート展や音楽祭が開かれていました。
陽気なブルギニョン(ブルゴーニュ人)たちが、ブルゴーニュ賛歌のような民謡を歌う場面にも遭遇し、思わずGさんも飛び入り参加で一緒に盛り上がりました!
「陽気なブルゴーニュの子供たち」という歌の歌詞が面白いのですが、「僕の横にはいつも酒瓶がある。いつもワインで顔を洗っているからヘマはしない!」というような歌詞(笑)
他にも農楽母さんも覚えて帰りましたのは、何か嬉しいことがあると飛び出す歌 「バン・ブルギニョン」!歌といっても、ラララーーだけで歌うブルゴーニュの手拍子です。
これが、とても陽気で楽しくて最高の手拍子!!
ブルゴーニュには、酒のみを称える民謡が何十曲もあるそうです。ボルドー地域もブルゴーニュと並ぶワイン産地なのですが、こういう民謡はないのだそう。これは、ボルドーは全体的な傾向がビジネスとしてワインが生産されている地域だからで、ブルゴーニュのほうは、小規模家族経営のワイン農家が多いので郷土愛が強いからこそなのだそうです。
豊かな土地と人情。
フランスでは、ブルゴーニュに住んでいるというだけで羨ましがられる理由がわかります。。
最後に、城門から教会を望んだ景色です。
まるで、中世にタイムトリップしたような気持ちになりますね。。