一羽残されて、おびえきっているヒナをどうしたら良いのか・・・、幸い、親鳥は必死になって世話に通っていましたが、シジュウカラの親は夕方になるとねぐらに帰ってしまいます。5月の夜間の冷え込みには巣の中でたった一羽では耐えられないでしょう。。

その日から、埼玉在住の鳥の専門家の友人に事細かにメールでアドバイスをもらい、夜間はヒナを家の中に保護して青虫を与え、翌朝は日の出前に郵便受けの巣に戻し、親鳥の行動を観察する、という毎日が始まりました。

ヒナにはピピちゃんという名前をつけました。

ピピちゃんはまだ、羽も生えそろわず、目も開ききらず、本当に弱々しい姿でした。。

いつまたヘビがやってくるかわからないので、郵便受けにはヘビ返し(ヘビが巣まで上がって来られないように)トタンの板を郵便受けの下に取り付けました。周囲には籾殻くんたんを播きました。

そして農楽母さんは、親がエサを与えに来ている日中は郵便受けの前にとめてある車の中に隠れ、ひたすら見張りを続けました。何しろいつまたヘビがやってくるかわかりませんから・・。ヘビ避けの見張り番というわけです。

こうして、昼は親鳥、夜は農楽家族という連係プレーで、ピピちゃんは一日一日大きく立派になっていきました。

日中、親は7~8分おきに巣箱にやってきては青虫を与えたり、巣の中の糞をくわえて外に捨てに行ったり・・たった一羽になってしまったヒナでもかいがいしく世話を続けます。そしてピピちゃんには様々な鳴き方でいろいろなことを教えているようでした。オスとメスとの会話、そしてヒナとの会話。鳥は、かなり高度な言語を有しているのだな、と感じました。

そして4日後のこと、、、来客中にまた巣箱が空になっていたのです。目を放した隙にもしやまたヘビにやられたのか!、と焦ったのですが、さにあらず・・・。

そうです。。親鳥に促されて巣立とうとしたのでした。しかし、まだ殆ど飛べません。。。母屋の隣の作業小屋にキョトンとしているではありませんか・・農楽母さんは更に焦り、焦りに焦りながらも、もう一日保護しようと判断。再びヒナを巣箱に戻しました・・。(この判断が良かったかどうかはわからないのですが、翌日はもう少し飛べる様になっていたので良かったのだと思います。。)

翌日、早朝から一生懸命にエサを与えていた親鳥が、午前10時半頃からまったく与えなくなりました。エサは運んでこないのですが、5~6分おきにやってきては「もうそろそろ巣箱から出なさい」と、ピピちゃんに巣立ちを促し始めたのです。

その声に促されてピピちゃんもまた勇気を出して巣から顔を出しました。

そして、しばらくキョロキョロと周囲の様子を伺っていましたが、、、パッと親鳥のいるほうへと飛び立ったのでした。

巣立ちの瞬間でした・・・。

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