10日、11日と、一泊二日で長野県下の診療所のお医者さんや看護師さん、保健婦さんなどが集まる診療所研究会に、パネラーとして参加をしてきました。
場所は、佐久市春日温泉もちづき荘。
研究会の大きなテーマは、「食と健康」。
農楽母さんは、生産者の立場から「食と健康」についての農楽里ファームの取り組みを発表させて頂きました。
お医者さんの集まりは初めての経験でしたので、初めは緊張していたのですが・・、診療所の先生方の、なんて個性的でユニークなこと!先ずそのことに驚きました。
そして、皆さん変わりものではあっても、とても人情的で情熱家で、「病や数値だけを診て人をみない」ようなお医者さんの対極の先生方ばかりがそろっていました。
患者さんに向き合い、そのご家族に向き合い、地域にも向き合い、そして「いのち」にむきあい、最後には「死」、そして看取りの現場にも向き合う。
大変なお仕事のなかで、理想とする地域医療の在り方に真剣に取り組まれているのです。
浅科診療所の川妻先生です。普段は半袖半ズボン姿で何十キロでも自転車で走って行くそうです。そして、季節を問わずに裸足。スーツ姿でも裸足(笑)、食事もご飯中心の菜食で、塩分も控えていらっしゃるそうです。当然、冷房も暖房も使わないそうです!
お話は、なぜ病気になってしまうのか、アメリカの戦略、食品業界の戦略も含めた食をめぐる問題点についての、多岐にわたるご報告でした。
ここで、川妻先生から一つ、漢字の問題です。
人 + 良 = 食
艸 + 楽 = 薬
品 + 山 + 病 = 癌
皆さん、この意味はお分かりになりますか?
次に、売木村診療所の佐々木先生による「診療所の抱える問題点」という現状報告がありました。
農楽母さんも、この大岡という僻地の村で暮らしていますので、じいちゃんばあちゃんたちの様子は良くわかります。
最後にどのように死を迎えさせられるのか、、、親の思いと子の思い、そして先生の思い、、在宅での看取りの困難さ、診療所と大病院の関係、患者と医師との信頼関係等など・・・。
これらの問題は、この研究会に参加しなければ気が付かなかったことでしょう。。
参加されている先生方は、自らの弱音も含めて本音の議論を交わしていました。
だから、心に響くのです。
二日目は、東京吉祥寺にあります真弓小児科医院長の真弓定夫先生の講演会から始まりました。
タイトルは、「食と健康~小児科医 癌を語る」です。
真弓先生は、白衣を着ない、薬を出さない(本当に必要な時以外は)、そのかわり、昭和20年代以前の暮らし方、食べ方を教え伝えることで病気にならない身体つくり、子育ての在り方を伝えるお医者さんとしてとても有名な先生です。
実は農楽母さんは、20年ほど前に真弓先生には出会っているのでした!
20年を経て現在80歳ですが、全く衰えることなく意気盛んな先生に再会することが出来て本当に嬉しかったです。
先生の「自然流育児のすすめ」という本からは、農楽息子、娘の育て方(特に食の面で)に参考にさせて頂いたことがたくさんあります。
その中でも一番は、やはり「牛乳の害」についてでしょうか・・。
牛乳は一度も飲ませたことがありません。 学校給食でも、です。
乳製品は嗜好品として位置付け、たまに摂ることは問題ないでしょうが、、栄養のために・・と常飲させることは子供たちの健康のためには間違いなく大きな問題となります。
牛乳もまた、日本の食文化を劣化させるためにアメリカの戦略によりもたらされた代表的な食べ物の一つですね・・。
お話は、昭和20年から27年までアメリカによる占領下の中でいかに食文化、精神文化が破壊され欧米化されて行ったのかに始まり、マクガバン報告、コリン・キャンベルの「葬られた第2のマクガバン報告」、そして、理想的な食のありかたとは、、、と、やはり多岐にわたるお話でした。
先生のご講演の後は、「NPO法人寝たきり半分推進協議会」の的場明子さん、農楽母さん、お子さんのアトピーを経験された芦澤貴子さんの発表と続きました。
的場さんは、農楽里ファームのあります大岡地区でお仕事をされています。
発表のテーマは、「寝たきりを半分に減らす~血管を守る食生活~」でした。
発表の中で、驚くべきデータがありました。
「慢性透析患者数の推移」なのですが、1968年に215人だったものが、2010年には、297,126人にまで、爆発的に増加しているというのです。
これもまた、食生活の激変、食の欧米化によるものなのだそうです。。
そして、農楽母さんの発表です。
(農楽里ファーム「代表」と書いてありますが、その実代表でも何でもないのですけれど・・・本当に肩書きは邪魔ですね・・。)
品種の話、種の話、土づくりの話、自然農法(小肥料・無肥料)の考え方、田畑輪換、旬を頂く、放射能汚染についての考え方、そして出会いが無ければ関心は生まれない、、等など・・。
芹澤さんは、お父さんの病気、お子さんのアトピーを通じて、やはり食の大切さに気が付いたそうです。
今回の研究会に集まった先生方と農楽母さんの共通点、それは、今の社会の中では圧倒的にマイノリティーであること・・・
でも、だから通じ合えるものがあり、嬉しかったです。
真弓先生からも「皆さんの素晴らし活動に勇気づけられました。わかってくれる人は少なくても、言い続けなければならないのです。やり続けなければならないのです。」とお言葉を頂き、感無量!
最後に、この研究会にお声をかけて下さったのは、大岡診療所の内場先生です。
内場先生、本当にどうもありがとうございました!
先生は、近日、光文社から「糖尿病で寝たきりにならないための血管マネジメント」という本を出版されるそうです!