11月26日(土)から、長野市権堂にあります「長野ロキシー」という映画館で「沈黙の春を生きて」という映画の上映が始まります。

農楽母さんは、先日その試写会に参加してきました。

この作品は、ベトナム戦争の枯葉材による被害を追ったドキュメンタリー映画「花はどこへ行った」を制作された、坂田雅子監督の2作目のドキュメンタリー映画です。

坂田雅子さんは、以前「のらりっ記」でもご紹介させて頂きました、「聞いてください」という本の著者である須坂市の坂田静子さんの娘さんでもあります。

坂田さんは、ベトナム戦争の帰還兵であるご主人をガンで亡くしました。

そのガンの原因が、ベトナム戦争時に10年に渡ってでまき散らされたダイオキシンを含む「枯葉材」に起因するものであると知り、ベトナムに渡り、同じ戦争の被害者であるベトナムの市井の人々と出会い、その虐げられた人々の心に寄り添いながら前作「花はどこへ行った」を制作されました。

写真は、坂田雅子さんです。

とても知的で落ち着きのある女性です。「かわら版農楽里」の発行を支え続けてくださっている、出版社オフィスエムの編集長、村石さんの長いお付き合いの友人でもあります。

新作「沈黙の春を生きて」では、先天的に手足の欠陥を負って生まれた帰還兵の娘ヘザーが、父の戦場であったベトナムに同じ被害にあった人々を訪ねていきます。

ヘザーの「アメリカにいる被害者に何かメッセージを」という質問に対し、全身の皮膚に障害のあるベトナムの少女は、「同情を感じます。頑張ってください。私も幸せになるために頑張っています。」と涙を浮かべながら小声で答えます。彼女は学校へも通えず、友達もいません。そして、襲われる激痛に耐えながら生きているのです。

なんともし難い自らの宿命を、ただ受け入れ、そして謙虚に生きる彼女のその姿に、農楽母さんは涙しました。。

戦争というものの本質は国と国との戦いではなく、富を独占し権力を握るものが、さらなる富の独占のため、そうでない普通の人々をコントロールし、対立をおこさせ、殺し合いをさせる構図なのです。。

この映画はこの構図を明らかにするとともに、国境を越え、被害にあい傷を負った弱きもの同士が心を通い合わせ、新たな声として世界に発信していきます。

50年前に、レイチェル・カーソンは著書「沈黙の春」の中で、「化学物質は放射能と同じように不吉な物質で世界のあり方、そして命そのものを変えてしまいます。今のうちに化学薬品を規制しなければ大きな災害を引き起こすことになります。」と語っています。

しかしその後も人体や他の生物の命にも危険を及ぼす様々な化学物質は生み出され続け、そしてついに日本でも原子力発電所の事故により放射能汚染が現実となってしまいました。

「枯葉材」による被害と悲しみは、世代を超えてこの「今」に続いています。

「枯葉材」の被害も放射能汚染の被害と悲しみも、一体この先何世代に渡り続いて行くのでしょうか・・。

多くの人に、この映画を目をそらさずに観て、そして我がこととして考えて頂けたら、、、、と思います・・・!

「沈黙の春を生きて」

「花はどこへいった」から3年・・・坂田雅子監督最新作

2011年11月26日(土)より、長野相生座・ロキシ―にて公開!

初日、坂田雅子監督による舞台挨拶があります。

前売り券1000円(当日1800円、学生1400円のところ)

(問い合わせ)長野相生座・ロキシ― 

℡026-232-3016 長野権堂2255(権堂アーケード中央)

 

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